指揮者と演出家インタビュー.1
三月に沖縄オペラアカデミー法人設立記念公演として初の「イタリア・沖縄合同オペラ フィガロの結婚」を上演します。これを記念して、制作・キャスト陣のキーマンに独占インタビューを敢行!
作品や舞台制作に関する貴重なお話しが盛りだくさんの内容となっています!
【指揮者:松下京介さん】
●「フィガロ」はどんな作品ですか。
モーツァルトが天才作曲家である事は言うまでもありませんが、そこに「鬼才」ダ・ポンテの台本が合わさり、このオペラが出来上がりました。
●舞台制作の際のポイントは?
音楽が素晴らしいのは勿論ですが、その音楽に乗って繰り広げられるドラマ、登場人物の生き様を是非見ていただきたいと思います。
●鑑賞のポイントはありますか。
外国人が来て歌う、と言う物珍しさでご覧にならないでいただきたいと思います。台本の言語を母国語として生き、そして素晴らしい歌手であるイタリア人が歌い、演じます。また、日本人キャストの多くもイタリアで学び、彼らと変わらぬレベルで言葉を理解して演奏します。
つまり、ただの『原語上演』と言う事ではなく、その言葉の意味・内容を理解したキャストが集まって行う公演です。字幕も入ると思いますが、あまり筋書きにとらわれ過ぎず、彼らの演じる表現を感じていただければ幸いです。
●沖縄の皆さんにメッセージを!
オペラは「芸術作品」ではありますが「伝統芸能」でもあります。是非楽しんでいただいて面白いと思えば笑って、素晴らしいと思えば大きな拍手を送ってください。それが演奏者にとっての何よりの喜びです。会場で皆さんとお会い出来る日を楽しみにしております。
【演出家:トニー・クレモネーゼ】
●どんな作品ですか。
「フィガロの結婚」はモーツァルトがイタリアの大変有名な台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテと一緒に取り組んだ傑作です。劇作家ボーマルシェの三部作の喜劇を題材に作られました。時は 一七八九年、社会的な階級の特権を一掃したフランス革命が起こる三年前です。このオペラでは、その時代の貴族階級の滑稽さを表現したいと思います。
●見どころは?
モーツァルトは彼の音楽の中に、熱気に満ちた喜劇と社会への皮肉を織り交ぜ、それらとうまく絡み合うように愛の物語を導入しました。このオペラは「愛」を表現している物語なのです。一日に沢山の問題が巻き起こり、変装したり様々な仕掛けが登場します。登場人物各々の欲求が入り混じって、日常では考えられない特殊な状況下で、ドラマは目まぐるしく展開していくのです。
●意気込みを教えてください!
私たちはこの記念すべき機会に、お互い切磋琢磨し、さらに技術を深めていきたいと考えています。日本人歌手はイタリア語の発音を完璧なものにし、イタリア最高峰の歌手陣のベルカントの技術や真髄に触れることができるでしょう。イタリア人は日本の仲間の真面目さや正確さ、そしてオペラに対するたぐいまれな情熱から刺激を受けるでしょう。私が最初に沖縄に訪れた時に、読谷村でコンサートで音楽をこよなく愛する素晴らしい聴衆と出会いました。
イタリアの伝統に基づくオーソドックスな演出によって、沖縄の皆さんに喜んでいただけるように作り上げていきたいと思っています。オーケストラ、歌手陣、合唱、そして指揮者、公演に関わるすべての人の力で、この沖縄県に素晴らしい成功がもたらされる瞬間を楽しみにしています。
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